
BitTorrentやuTorrentなどのトレントソフトを使用して映像作品(映画やAVなど)をダウンロードしたとして、著作権者から発信者情報開示請求の意見照会書が届くことがあります。
当事務所ではトレントソフトによる著作権侵害事件を多数取り扱っており、日ごろからこのようなソフトに関する案件の対応や注意喚起を行っています。
トレントソフトとは
トレントソフトとは、ユーザー同士で直接ファイルを送受信するP2P方式を採用しているソフトウェアです。 BitTorrent以外にも、uTorrentやBit Cometなどがあります。
これらトレントソフトの特徴は、自分がダウンロードしたファイルは、自分がアップロードの行為をしなくても、他のユーザーから求められれば自動的にアップロードしてしまうという点に特徴があります。
著作権者の許可なく映像作品をアップロードすることは送信可能化行為といい、著作権侵害を伴う違法な行為です。
そして、この仕組みはトレントソフトをインストールする際に注意書きとして表示されており、「知らない間にアップロードしていた」という弁解は通用しません(実際に、このような弁解は認められないことが高等裁判所で判断されています)。
つまり、トレントソフトを使用したユーザーは、著作権侵害のリスクを常に背負っていることになります。
意見照会やその後の請求は放置は絶対にしないでください
開示と賠償は必ず認められるのか
トレントソフトを利用した著作権侵害について、映像の製作会社やAVのメーカーはIPアドレスを技術的に明らかにして、発信者情報開示請求をしています。
そして、発信者情報開示請求を拒むには、正当な理由が必要です。
そのため、実際にトレントソフトを使用している方のほとんどは、「トレントソフトが自動的にアップロードすることをしらなかった」とか「トレントソフトを実は使用してない」といった反論ができないのが現状です。実際に多くのケースで映像制作会社が勝訴した裁判例があり、著作権侵害の賠償を命じる判決が出されています。
発信者情報開示請求の意見照会を放置するとどうなるのか
発信者情報開示請求は意見照会が届いてから、おおむね2週間放置していると請求者に対して契約者の情報(住所や氏名)が開示されます。
これはプロバイダの契約をしている人の情報なので、家族の名前で契約している場合、家族に対して映像製作会社から連絡が来てしまうことになり、家族にどんなソフトをダウンロードしたのかもわかってしまいます。
そして、著作権侵害で損害賠償請求を受けたり、訴訟を提起されたりすることになります。それらをさらに放置していると、相手の請求が裁判で認められてしまいます。
トレントソフトの損害賠償請求の事案では、場合によっては数百万円から1億円以上の損害賠償請求を受けるということもありえます。
発信者情報開示請求の意見照会が届いたら、それ以降放置するということは絶対にしないでください。
どのような場合に開示と賠償をせずにすむのか
まれに、トレントソフトをインストールはしているが、著作権侵害が発生していないことがあります。
それは「ダウンロードの途中で止めて、そのまま削除していた」という場合です。このような場合であっても、途中までのダウンロード行為が補足されて、映像制作会社からの発信者情報開示請求がされる場合があります。
しかし、このような場合は途中でダウンロードを止めて、アップロードに至っていませんので、著作権侵害がないとして発信者情報開示請求を拒むことができます。
ただし、それを主張するには、こちら側が客観的証拠によって立証できる状態でなければ、交渉や訴訟で主張できません。
具体的には、ダウンロードが中止されている画面のスクリーンショットなどが必要です。
早期に示談・和解の交渉を進める必要があります
早期に示談や和解の対応をしないと多額の賠償請求もありえます
先ほど述べたように、トレントソフトによる損害賠償請求では、数百万円から1億円を超える損害賠償請求がされるという事案も中には見受けられます。
そのまま放置して訴訟が始まってしまうと、このような交渉が困難になる場合もあります。
トレントソフトに関する発信者情報開示請求の意見照会書が届いたら、早期に示談や和解の交渉を進める必要があります。
意見照会書が届いたらすぐに弁護士にご相談を
意見照会書には返信期限があります。放置していると契約者の情報が明らかになってしまい、家族にダウンロードした作品が分かってしまうということもあるので、すぐに弁護士に相談して対応することをお勧めします。
示談金はどのくらいなのか
トレントソフトの使用歴・使用頻度やアップロードしたソフトの本数などを考慮して、数十万円で示談・和解ができるケースも多くあります。
実際に当事務所で交渉を行ったケースの多くでは、数十万円の解決金による示談が成立しています。
当事務所は九州全域の案件に対応中など
当事務所では、IT企業などで法務部長経験のある弁護士が対応しています。
事務所は大分県宇佐市にありますが、IT関係やトレントソフトの案件については大分県全域や福岡県、熊本県など九州全域で対応しております。
遠方の方にはzoomによるオンライン相談も行っておりますので、遠方の方も安心してすぐにご相談いただけます。