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不倫・浮気の慰謝料は簡単には計算できない
不倫・浮気(不貞行為)の慰謝料は、さまざまな要素で決まりますので、一律に何回性交渉をしたからいくら、などといった風には決まりません。
ただし、不倫・浮気(不貞行為)の慰謝料の金額に影響を与える要素はある程度決まっていますので、不貞慰謝料に弁護士に相談すればだいたいの金額の目安が分かります。
どのくらいの幅の金額が多いのか
一般的に、不貞慰謝料の相場金額は40万円から300万円程度になることが多いです。
特に不貞行為が理由で離婚に立った場合は慰謝料の金額が100万円を超える事案がよく見られます。
逆に、不貞行為があっても夫婦が別居も離婚もしていない場合、慰謝料の金額は50万円から100万円程度に収まることが多いです。ただし、不倫や浮気の期間が数年間にわたっている場合などは、別居や離婚をしていなくても100万円を超えることがあります。
また、請求された側に弁護士がついている場合、求償権の放棄(もう一方の不貞相手に慰謝料の分担を請求することを放棄すること)を条件に、さらに減額を実現できることがあり得ます。
不倫・浮気(不貞行為)の慰謝料の金額に影響する要素
不倫・浮気(不貞行為)の慰謝料の金額は、以下の要素に影響を受けます。
- 婚姻期間の長さ
- 不倫・浮気の期間の長さ
- 不貞行為の頻度
- 夫婦の間に未成熟の子どもがいる
- 夫婦の間の関係性が冷えているか
- 不倫・浮気の結果、夫婦が離婚したか
- 不倫・浮気の相手が経済的利益を受けていたか
- 不貞行為発覚後の行動
などです。
慰謝料の金額が低額に納まった事例
すでに不倫相手が離婚していて多額の慰謝料を支払っていた事例
不倫の期間は約3年半と長く、結果的に夫婦は離婚していたので慰謝料は多額になると思われる事案でしたが、すでに離婚に際して夫婦間で200万円の慰謝料が支払われていたことから、訴訟において不倫相手が支払うべき慰謝料の残額は50万円であるとしました。
婚姻関係が破綻の危機に瀕していたことを認めて慰謝料を減額した事例
婚姻期間は14年ほどと長く、不貞の期間も半年以上であると認定されていました。しかし、すでに婚姻関係は破綻していないものの、破綻の危機にあったとして、訴訟において440万円の請求に対して44万円しか慰謝料を認めませんでした。
不貞行為の回数が少なく求償権の放棄を行う代わりに減額した事例
婚姻期間は10年ほどありましたが、不貞行為の期間が短く不貞行為の回数も数回しかありませんでした。相手からの請求額は300万円でしたが、これらの主張を行うと共に求償権を放棄することを条件として、交渉により慰謝料の金額を40万円ほどに減額しました。
慰謝料の金額が高額になった事例
長期間の婚姻期間と不貞期間や不倫相手の出産を理由として高額の慰謝料とした事例
訴訟において、婚姻期間は24年、不倫(不貞)の期間は9年以上と認定した上、不倫相手と夫の間に子どもができていたことなどを理由として、300万円の慰謝料を認めました。
興信所の調査費用なども支払義務を認めた事例
婚姻期間11年、不貞の期間を1年と認めた上、この不倫が原因で別居したとしました。さらに、かたくなに不倫を認めてこなかったことなどから興信所(探偵)の費用も不倫相手に支払う義務があるとして、慰謝料と興信所費用などの合計195万円ほどの支払義務を認めました。
探偵(興信所)の調査費用も請求できることもある
必ず認められるわけではありませんが、事案によっては探偵(興信所)の調査にかかった費用の一部や全部も相手に請求できることがあります。
例えば、かなり詳細に自分で調べた上で、証拠を突きつけて問い詰めたのに、夫や妻が不倫・浮気を認めなかったので探偵を頼む必要があったなどの場合です。
これは単に事実としてそのようなやりとりがあるだけでなく、実際に証拠によって証明する必要がありますから、問い詰めている様子などは録音するなどして証拠化しておく方がよいでしょう。