このページの目次
はじめに
このページでは、どのようなときに弁護士に遺産分割を依頼したほうがよいのか、そのときをつけるべきことは何かを解説します。
まず、弁護士に遺産分割を依頼するメリットは以下の通りです。
- 法的に適切な主張をして損をしないようにできる
- 自分で行うときより早期に解決できることが多い
- 直接交渉しなくてよいのでストレスが軽減できる
以下に詳しく解説します。
1 法的に適切な主張をして損をしないようにできる
遺産分割は単に相続分に従って財産を分けるというだけでなく、さまざまな論点が含まれることが多くあります。そして、一度分割協議を終えてしまうと、後で撤回することができない場合がほとんどです。
そのため、法的にどのような主張ができるのかをきちんと専門家へ依頼の元で分析し、後で損をしないように遺産分割を行うことができる点がメリットです。
具体的には、相続発生前の時点で預金の引き出しなど遺産の使い込みがある場合は、事前に訴訟などで遺産の持ち戻しをする必要があります。
また、遺産といっても預貯金だけでなく、不動産など評価が一律ではない財産もありますので、遺産それぞれをどのように評価するのかが争いになることがあります。
他にも、特別受益の問題や、遺言がある場合に遺留分を侵害していないか否かを確認できる場合など、遺産を巡る論点はさまざまあります。
2 自分で行うときより早期に解決できることが多い
遺産分割は、その前提として遺産の調査などが必要となることがあり、またこの事案は協議で解決すべきなのか、調停や審判などの裁判所での手続で解決するべきなのかなど、手続選択も重要な問題となります。
この手続の選択を誤ると、解決までの時間が長引き、何年経っても遺産分割が終わらないなどの事態となることもあります。
専門家に依頼することで、その事案がどのような手段で解決すべきなのか、どのような順番で何をするべきなのかを理論立てて整理することができ、自分で対応するよりも早期に解決できることも多いといえます。
3 直接交渉しなくてよいのでストレスが軽減できる
遺産分割はいうまでもなく、血のつながった人たちでの話し合いです。
冷静に話し合えると思っていたり、関係が円満であると思っていても、親族とお金の話をするというのは思った以上にストレスを感じる方が多いようです。特に、意見が異なり、争いになっている場合のストレスは非常に大きなものであるといえます。
弁護士などの専門家に依頼することで、冷静に話し合いをすることができる上、弁護士を自分につけることで、自分の立場で利益を守るための分析や話し合いをすることができます。
注意すべきこと
弁護士に遺産分割を依頼するメリットは上記のとおりですが、依頼するに当たり注意すべきことがあります。
1 弁護士費用がかかる
弁護士に依頼することで、どうしても安くない費用がかかります。
当事務所では、なるべく明確に計算式や金額を見積もるようにしており、遺産の予想獲得額に対して経済的メリットがご依頼者に発生しない場合は、その旨をお伝えするようにしております。
2 紛争がむしろ激しくなる可能性がある
弁護士を依頼することによって、かえって争いが激化してしまい、円満な解決が遠のくということもあり得ます。
どうしても自己の権利主張や利益の最大化と、円満な解決はトレードオフの関係(あちらを立てればこちらが立たない関係)になることがあります。
そのような場合は、相談時に弁護士から説明するようにしております。